6月某日夜、設備スタッフ全員に緊急連絡が入った。
同日、温泉ポンプが破損・緊急停止したため、その振動によって配管の
一部機器の溶接部に亀裂が入り、猛烈な勢いで水が吹き出したことから、
弊社設備スタッフの総力を上げて直ちに緊急対応等を行いました。
まず、レンジャー出身(自衛隊特殊作戦隊員)の設備スタッフが木材を削り、
即席で木栓を作成して、配管からの水の吹き出しの応急処置に成功しました。
潜水艦内で浸水等が発生した場合の応急対応も、やはり木栓が一番とのことです。
その後、特殊技能者による塩ビ管の特殊溶接を行い、
同配管の補修には成功したものの、問題は破損したポンプの復旧である。
昨今の国際情勢の影響から、ユニット交換の場合は最悪6ヶ月程度、
ポンプだけでも最低2ヶ月程度の納期となっている現在である。
その間、温泉の営業を停止しなければならない事態を想像し、
スタッフ皆がため息につつまれました。
その時、その道25年のプロフェッショナルである設備保全課の課長が言った。
「ポンプがなければポンプを作ればいいじゃないか!」
直ちに設計図面を取り寄せ、当該設計図における全ての必要部品を列挙し、
皆で手分けして日本全国の工場に部品在庫の確認を行い、その個々の調達部品を用い
現地にてポンプの必要箇所を組み立てれば、10日程度の納期で復旧できる見通しを立て、
20日(火曜)からの再開予定を地域の皆様にご案内等しました。
その後、一部の加工を要する部品(羽根車等)を除き、必要部品の全てを週明け13日(月曜)の朝一に工場出荷の手配を完了し、
部品が到着するまでの間、接続部のボルトの内、2本が内部で折れていたため、
その折れたボルトを取り出す難作業(折れたボルト内を更に削り新たなネジ山を制作して取り出す作業)を実施しながら部品の到着を待ちました。
一旦、水曜日に揃った部品で組み立てを開始し、加工を要する部品の加工完了が16日(木曜)であったため、
神奈川の工場から週末に出荷すると、週明けの到着になるため組み立て・試運転等を経て、
当初の再開予定ギリギリ(10日程度)となる状況報告を受け、次のように話しました。
「自分が工場に取りに行っても良いので、なんとか週内の金曜日に組み立て・試運転等を完了し、
18日(土曜)に前倒しで温泉を再開させられる方法はないか、飛行機に乗せてもらえないか確認して欲しい。」
直ちにスタッフが確認したところ、工場から完成後に直ちにチャーター便(飛行機)に載せれば17日(金曜)の朝に熊本空港での受取りが可能となったため最短手配を行いました。
17日(金曜)は、2班に分けて熊本空港に待機して直ちに受領・運搬する班と、現地にて組み立て等を行う班で最短で作業を行い、試運転時にポンプが正常に動いた際には、ガッツポーズと共に「オー」という歓声が巻き起こり、
直ちに翌日18日(土曜)からの温泉再開(7日間で復旧)を地域の皆様にご案内等しました。
おかげさまで、18日(土曜)は大盛況となり、19日(日曜)の来場者数は今期最多人数を記録し、
お客さまに「良かった。思ったより復旧早かったね。」
「弁天が開いてないと困るとたいね。ありがとう。」等々の多数のお声をいただきました。
引き続き、スタッフ一同協力して頑張ってまいります。